名古屋*BSDユーザグループ
濱嶋克臣/Katsuomi Hamajima
hamajima@nagoya.ydc.co.jp
6月8日と9日に東海オープンソースコミュニティ(TOSC)(注1)主催による「オープンソースのつどい2002 in名大」(以下「つどい」と省略)が名古屋大学で開催されました。NBUGも協力団体として参加しました。こ協力いただいた各団体の皆様、ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。今回は「つどい」の報告もさせていただきます。
FreeBSDでportsからmozilla-1.0rcが作れないという質問に対し、freetype 1がインストールされていないかという回答が流れました。それを削除することで無事作成できたようです。 先月の短信で調査中と書いたNetBSD/i386のw3m+imgパッチで特定のページを見に行くと固まる件ですが、kdumpの出力を見せてもらいlibungifに問題があることを突き止めました。これを最新にしたら動作するようになったようです。 第2回Midnight XCAST Meetingに有志4名で参加しました。 例会は「つどい」直前であったため、その準備にほぼすべての時間を費やしました。
役員選挙が行われました。会計は信任投票の上再選され、代表は立候補者がなく不在、会計監査も立候補がなく行われませんでした。 NetBSD/i386でSMPを使うにはどうしたら良いのかという質問が流れました。なぜかNBUGではNetBSDの話題がユーザー数の比率より多いです。NBUGの'N'はNetBSDの'N'と一部で誤解されているみたいですが、実体はNetBSDユーザーの声(態度?)がでかいだけのようです。 FreeBSDでXFree86の3が入っている環境をXFree86の4に移行するにはどうやるのが正解でしょうかという質問に対して、/usr/X11R6を削除して新しくインストールするのが男らしいのではないか、という答えが出ました。(^^; 第3回Midnight XCAST Meetingに有志4名で参加しました。この頃よりNBUGは怪しいという噂が立ち始めましたが、我々にそのような自覚はありません。;-) 例会では、MLやDNSでお世話になっているつなぐねっと様の新サーバーのセットアップのお手伝いをしました。OSはFreeBSDを使っています。
BSDなひとときに有志数名がお手伝いにかけつけました。また、xcast6でも4名が参加しました。 IETFでのXCAST6相互接続実験に有志2名が参加しました。他に接続しているところはすべてi386アーキテクチャでしたが、我々はmacppcとplaystation2で接続しました。 K*BUGのイベントに乱入し、NBUG xcast6推進委員会(仮名)によるNBUG未公認xcast6 online meetingの報告とxcast6の実演を行いました。 例会ではK*BUGイベントで発表したものと同じNBUG未公認xcast6 online meetingの報告がされました。日程の都合でNBUG内での発表が後になってしまいました。 また、CAT68701というsh3が載ったボードで動くNetBSDが披露されました。これは本家のツリーに入っていないポートです。
NBUGの月例会は毎月23日に一番近い日曜日の午後3時から名古屋駅から歩いて10分くらいの場所にあるNPOプラザなごやで行なっています。飛び入り大歓迎ですのでお気軽にお立ち寄りください。 祝祭日に重なると開催日を変更することがありますので、詳細な日時はhttp://www.nagoya.bug.gr.jp/でご確認ください。 メーリングリストへの参加方法も上記URLに書かれていますので、そちらも合わせてご覧ください。
(注1)東海オープンソースコミュニティ(TOSC)http://tokai.opensource.jp/
「つどい」も今回が3年目で3回目の開催(注2)となりました。全国的にはまだまだ知られていませんが、東海地方では少し認知されてきたようです。やはり継続は力といったところでしょうか。 前回の反省から今回は講演数を減らして展示をゆっくりと見てもらえるようにスケジュールしたところ、アンケート結果では好評だったようです。もちろん講演数は減りましたが、「BSDハッカーになるために」の連載でお馴染の砂原先生をはじめとする豪華な講演者が揃っていたと自負しております。
一日目には、独立行政法人産業総合研究所の新部裕さんによる「未定ソフトウェア想像授業」、中京大学の鈴木常彦先生による「地域インターネットの危機〜名古屋包囲網」、松阪大学の奥村晴彦先生による「圧縮アルゴリズムとフリーソフトと特許の話」の講演が行われました。ミーハーな私は奥村先生にサインをしてもらいました。:-) 二日目には、奈良先端科学技術大学院大学の砂原秀樹先生による「InternetITS: 自動車から始まるIPv6の世界」、The NetBSD Project/株式会社創夢の蛯原純さんによる「NetBSD」の講演が行われました。そして、最後にBOF「地域コミュニティからひろがるオープンソースコミュニティの世界」を開催しました。 また、WIDE XCAST WGのご協力により講演の様子をxcast6で中継しました。蛯原さんの講演内でxcast6の紹介を行ったり、質疑応答ではネットワークの向こう側から質問が出るといった場面もありました。 各講演の詳細はスタッフによるレポートがhttp://jla.linux.or.jp/events/20020608-nagoya/report.htmlに掲載されていますので、興味ある方はぜひ一度ご覧ください。
NBUGでは例年と同じく多数のNetBSD機を展示しました。amiga、mac68k、x68kのm68k機や、hpcmips、newsmips、playstation2のmips機の他、dreamcast、hpcarm、i386、macppc、pc98などを展示しました。二日目には飛び入りで名大アマチュア無線部によるハードディスクとISAのNE2000互換NICが2枚接続されたNetBSD/dreamcastが展示されました。昨年はハードディスクだけでしたが、今年は更に進化していました。 各種NetBSD機に圧倒されつつもFreeBSDのi386とpc98、OpenBSD/macppc、どすモバ版のPocketBSDを展示しました。事前準備のときに、展示に使用したFreeBSD機のインストールの様子を録画したDVD-Videoを作成し、それをFreeBSD上で再生していましたが、目立たなかったためか観ている人が少なくて製作者としては少し寂しかったです。 また、FreeBSD/i386 Live CDとNetBSD/dreamcast、NetBSD 1.6Aのsnapshotを配布しました。合計で70枚ほど用意しましたが、なかなかの好評でした。
アンケートには毎年「場所がわかりにくい」と書かれますが、3回目ともなるとその数も少なくなったように思います(笑)。配布したアンケート用紙の数からの推測では、二日間でのべ300名以上の来場者でした。 反省点はいろいろありますが、アンケートを見る限りではなかなか好評であったようです。乗り越えなければいけない壁は多数ありますが、来年も開催できたらいいなとスタッフ一同考えております。 最後になりますが、協賛していただいたJLA様、TIC様、株式会社創夢様、および協力団体の皆様、ご来場いただいた皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。
(注2) 「東海地方にはオープンソースのイベントがない。ないなら自分達で開催しよう」ということで、NBUGとnlugの有志によって始まりました。詳しくは、一昨年は5号の166ページを、昨年は9号の240ページをご覧ください。