NetBSD/macppc

Macintoshがモトローラの680x0からRISC CPUのPowerPCにCPUを変更し, 新しいシステムになった。そしてNetBSDもまたこのシステムの上で動作する。i386に次いでメジャーなのではないかと思われるのが, このNetBSD/macppcだ。

PowerMacとは

従来の680x0からPowerPCへCPUを変更したもの。簡単に言うとそれだけではあるが, MacOSではその過去の資産を受け継ぐべく68020エミュレータを搭載しての登場だった(これは同時に最大の欠点でもあった。PowerPCの能力をなかなか引き出すことができなかったのだ)。
当初PPC601を採用していたが, その後PPC603/604, それらの拡張版603e/604eを経てMPC750(通称G3), MPC7400(通称G4)へとパワーアップを続けている。また, 当初NuBUSと独自アーキテクチャだったハードウェアもPCIバスを採用し, CHRP仕様やOpenFirmware等の標準仕様も取り込んでいくことになる。
一時は経営が危ぶまれたAppleだが, PowerPC G3を採用したiMacのヒットにより復活。しかし最近はまた今ひとつぱっとしない。失敗作と言われてしまったがG4-Cubeのような「いかした」マシンをまた期待したいところである。
近年最大の話題はMac OS-Xだろう。今までのMacOSとは全く変わって内部的にはMachをベースとしたカーネルを採用しBSD互換レイヤを持つ, いわゆるUNIXベースシステムである。ユーザランドにはFreeBSDのものが採用されたり, コア部分であるDarwinはフリーで公開されるなど非常に興味深い。一方でAquaに代表される特徴的な独自GUIシステム, 従来のMacOSをプロセスとして動かしたり, CocoaやCarbonという仕組みなど, 今後のUNIXシステムの進む道の一つとして注目に値するだろう。

NetBSD/macppcとは

PCIバスを採用し, PPC603以上を搭載したPowerMac/iMac/iBookシリーズで動作し, 正式なリリースはNetBSD1.4からという比較的新しいポートである。MacOS-Xでは比較的最近のG3/G4モデルしか動作対象になっていないが, NetBSDの動作対象機種は非常に多岐にわたる。一部制限があったり使用できないマシンも存在するので詳しくはNetBSDのオフィシャルサイトを参照されたい(http://www.netbsd.org/ports/macppc/)。
また, NetBSDの機種非依存な設計により, たとえMacOSでサポートがないPCIデバイスやUSBデバイスでも使用できることがある。PC/AT互換機用と称するデバイスは比較的安価に入手できるので, それらを使用することができるのだ。

最近PowerMacユーザになった人より

私は最近までMac使いではありませんでした。そして今もいわゆるMac使いではありません。MacOSというものをほとんど使っていないからです。なぜかというと長くなるので省略しますが, 今現在ほぼ100% NetBSD/macppcで使っています。とっても古い異種でPPC604e/180MHzだったりしますが, メモリが144Mbyteもあるおかげで普段の使い道では全く困っていません。同時期のPentium200MHz程度のマシン等と比べると遙かに快適に使用できます。
ただPowerMacと言っても中身は何度か変わっていて, そのために使いづらいところもあります。具体的には私のPowerMacでは内蔵ビデオでXを使うと640x480/256色しか使えないんです。いわゆるデスクトップ用途でこれはかなりきつい制限ですよね。おかげでNetBSD/i386機をXターミナル代わりに使っています。
私はNetBSD-currentベースで使ってきましたが, 今年の始め頃にXCAST6のパッチを当てており, ちゃんと動いています。オーディオデバイスはAT互換機で使っていたEnsoniq Audio PCIを付け, さらにはあろうことかIntelのPRO/100SというNICまで付けています。こんなのがそのまま動いてしまうのもNetBSDの魅力ですよね。
何から何までAT互換機で無くても良いじゃないですか。最新機種で無くてもばっちり最新の環境が使えます。そろそろAT互換機に飽きてきた方々。ちょっと型落ちのPowerMacでNetBSDなんてどうですか?
 

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